今日はインプラントのお話をします。インプラントは当院でも頻回に行われている治療です。新聞や雑誌などで、割とネガティブなことを報じられていることも多いですが、インプラント(人工歯根)は歯のないところに直接チタン製のネジを打ち込むことで、まさに人工歯根の役割をし、その上部に冠をかぶせることによって自分の歯と同じように噛むことができるようになるという大きな特徴があります。両隣の歯を大きく削ってブリッジにしたり、両隣の歯にバネ(クラスプ)を引っ掛けて面倒な取り外しをしなければいけない義歯に比べると、歯も削らずまた取り外しもせずという、一挙両得な利点があり、費用はかかってしまう欠点もありますが、インプラントは正に文明が成し得た発明品といいますか、こんなに優れたものはないと常々僕も確信しています。ただここで力説したいのは、いくらお金かけてもその後のメンテナンスをちゃんとしないと、長持ちするものも長持ちしないと言うことです。具体的には歯科医師や歯科衛生士の指導に耳を傾けていただき、日々のご自宅でのメンテナンス(ブラッシング)を行っていただき、常に清潔な状態に保ち続けることが必須になります。上の図はインプラントと生体の違い、さらインプラント周囲に炎症が起こってしまう原因について記したものです。やはり、生体にとっては異物を体内に入れるわけですから拒絶反応が起きても当然です。問題はいかに口腔内の環境を清潔に保てるかということになります。幸いにして当院ではインプラント治療を始めて以来、1人の患者さんもインプラント周囲炎を発症したことありません。これは私の誇りと言っても良いことです。これからもインプラントが皆様の口腔の環境の向上に少しでも貢献できるようにがんばって取り組んでいきたいと思っております。